MARTHA STEWART Weddings JAPAN編集部が熱い視線を送る、ステイウエディング。両家の親族や親しい友人を招いて、みんなでのんびり旅を楽しみながら結婚式ができるなんて、とても素敵なことですよね。
『星のや竹富島』では、結婚式は1日1組限定で、2泊3日の滞在をするステイウエディングを行なっています。
親子でゆっくりと話す時間があるから、感謝をきちんと伝えることができますし、我が家のような安らぎのある空間なので、お相手の家族とも親睦も深まります。笑顔に溢れた、思い出に残るウエディングになることでしょう。
さて、いよいよ『星のや竹富島』のステイウエディングの魅力をレポートする全3回連載の最終回です。第1回目は竹富島と施設を、第2回目は滞在2日目のウエディングをご紹介しました。
ウエディングのセレモニーが済んでも、帰りを急がされず、お祝いの時間はまだまだ続くのがステイウエディングの良いところ。最終回では、セレモニー後もお楽しみがいっぱい、家族の温かい時間をご紹介します。
形式にとらわれないオリジナリティ豊かなウエディングでもてなす、星のや竹富島。寛ぎに満ちた空間の客室と親密感のあるホスピタリティに加え、刻々と変わる自然の美しさを体感できるのがこの施設の大きなチャームポイント。光と影のコントラストを感じてもらいたいという思いから、客室の照明は少し暗めにしているのも素敵だ。
結婚式といえばセレモニーと会食。でも、ここではその後もウエディングの歓喜が冷めることはない……。なぜなら自然からの贈り物があるから。
目に飛び込んでくるのは、遮るものがない広い空、鮮やかな熱帯の樹々や花々、南国のやさしい風、心を揺さぶる夕焼けや満天の星などなど。最終日は、自然の懐に抱かれて素朴で美しい島の夜をみんなで大いに楽しもうではないか。
ステイウエディングのドレスコードは、沖縄の正装であるかりゆしウエアを選ぶカップルも多いそう。暑さへの配慮とともに、色や柄を揃えてみんなで着ることで一体感が高まる効果も。式と会食を終えた夕暮れ時にはみんなで、お揃いのかりゆしウエアのまま出かけるのも楽しい。
竹富島の海に訪れる夕暮れは、とても幻想的だ。日が暮れるにつれて、オレンジともピンクとも言えぬ色合いで、刻々と空を染めていく。そして、パノラマミックな雲の彼方に神々しい輝きを放つ太陽が沈む瞬間は、息を呑むような美しさ。夏の島の日入り時刻は19時30分ごろ。定期船はすでに終了し、日帰り旅では決して眺めることはできない景色である。
そんな夕日を堪能できる絶好の場所が、星のや竹富島から車で約10分ほどの西岸に位置する『西桟橋』。石灰岩を手積みした尊いつくりで、国の登録有形文化財に登録されている素晴らしいところだ。
正面に見える島影は、小浜島と西表島。夕方になると島の人も桟橋に集まってくるそうで、なかには三線を片手に来る人もいたりする。運がよければ三線を聴きながら沈んでいく太陽を眺められるかも。ここにしかない絶景はカップルにとっては新たな門出の祝福となり、幸せを心に誓いたくなるはず。
最終日の夕食も両家そろって食卓を囲み、新鮮な肉や魚、ハーブ、フルーツなどの食材が彩る、地元の生産者との共生も図っているというモダンさが盛り込まれた美しい料理に舌鼓。すでに仲良しになった全員が和やかに交流、日中のセレモニーの感想やロマンティックな夕日の話題で盛り上がる。
特別はまだまだ続く……夕食を終え、ダイニング会場から客室に戻るとき、目にするのが驚きの夜空。まさにプラネタリウムさながらの満天の星が、見上げるのではなく目前にめいいっぱいに広がっている。星がこんなにもまばゆい理由は、海に囲まれた地形と空気が澄んでいること、そして街灯やビル、広告の灯りがないため暗さが保たれているから。
普段目にする星空とは遥か比べものにならない天体は、まさに自然の万華鏡! なんだか宇宙を旅しているようなおおらかな気持ちになった。さあ、今宵は家族みんなを地上の特等席へご招待!
ホテルとは違った魅力をもつ民家を模した戸建の客室は、静謐さと寛ぎの時間をもたらす。いつの間にかみんなは、地元の人と同じく縁側から出入りをするようになり、すっかり島人(しまんちゅ)。特等席は縁側に決定! 悠久の星空が魅せるショータイムを楽しもう。
生涯忘れないウエディングの後の、幸せな疲労感に浸る竹富島の最後の夜。ステイウエディングのラストを飾るために、何かスペシャルなことをしたいと思う花嫁花婿も多いと思う。
MARTHA STEWART Weddings JAPAN編集部が考えたアイデアは、“星のや竹富島でサイコーの星の夜を楽しもう! ”をテーマに、プチギフト(引き出物)を用意すること。星のや竹富島と島の夜の風情を満喫する、“星”にまつわる遊び心を時間軸に合わせて考案。今宵もおしゃべりが止まらない……。
■プチギフト “星のや竹富島でサイコーの星の夜を楽しもう! ”
・星空にカンパイ! by星付き高級ビールと竹富島の縁起のいいおやつ
・星のチカラで、愛と幸せは引き寄せられる!? by星の書籍
・星空を眺めながらお風呂に浸かろう! by琉球ハーブバスソルト
・美しい星空の下で穏やかな眠りへ! by琉球ハーブ入りアイピロー
それでは、プチギフトの内容を詳しく説明しよう。
左:家族が揃ったとき欲しいのは、笑いとスイーツ。どちらも多ければ多いほどいい! 用意したスイーツは、竹富島のおやつ「さたくんこう」。お馴染みのサーターアンダギーの小粒バージョンで、くんこうは、硬くて丸い塊という意味。油で生地を揚げるとき、花がパッと開くように割れることから、お祝いごとに使われる縁起のいいスイーツだ。
右:星付き高級ビールで、2人の愛を星空にカンパイ! オレンジや花の香りがスッと鼻を抜け、フレッシュな香りの良い酵母にもこだわってつくられた味は、じっくり飲みたくなる。ワイングラスに注いで、香りを堪能しながら飲むのがおすすめ。
満天の星と幸せを運んでくると言われる南風(ぱいかじ)に癒される夢心地な夜。ゲストたちもロマンティックな気分に誘うブックはいかが。星で幸せを占ったり、宇宙のファンタジーを感じたり、星空を子供の目で見たり……と、星空を眺めながらトークが弾む、星にまつわる本を思い出の品としてギフトとして選んでみた。“毎日、竹富島の星のように輝いて”というメッセージも添えて。
左:人気ヒーラーyuji氏が綴る、十二星座の本質とその辿るべき運命を解説。太陽星座から自身を知るだけでなく、星が語る“自分軸”で生きる方法を教えてくれる、何度も読み返したくなる本。
中:宮沢賢治の豊かな空想性とユーモアは、勇気と希望を与えてくれる。著者の毛利氏の、子供の頃に読んだ賢治体験と自らの宇宙体験が渾然一体となって描いた物語は、コロナ禍後の未来社会を展望する人生の羅針盤となる1冊。
右:天の川の正体は? 星って最後はどうなるの? などなど、星や夜空に関するさまざまが疑問を解説したビジュアルブック。日本星景写真協会が世界各地で撮影した星景の写真はどれもうっとりする。
あっという間に夜は更けて、ゲストとの星空鑑賞会はお開きに。
上質なホテルや旅館でゆっくり入るバスタイムは旅の楽しみのひとつである。フローリングの客室にはリビングの奥に広いバスルームが設けられている。ユニークなのは、部屋の中央にゆったりとしたバスタブが鎮座し、その横にセパレートのシャワーブースを備えていること。バスルームとリビングの仕切りをオープンにすれば、バスタブに浸かりながら外の星空を眺めることも。そんな愉楽はここだけ。ウエディングという特別な日が、続けて寛ぎの場所にもなるなんて、これこそが、ウエディングの最新かもしれない。
ゲストには、緊張感をほぐす植物の香りが心地よい入浴剤をギフト。事前にスタッフにお願いして、“Have a great bath time! 最高なバスタイムをお過ごしください! ”と、予期せぬメッセージとともに届けてもらい、ゲストを驚かして。
上左:沖縄の伝統ハーブ、月桃の生葉。湯に葉を浮かすとリラックスできるいい香りが広がる。
上右:沖縄に生息する月桃、グアバ、ヨモギなどのハーブに、美肌を助けるクミスクチンやビワ、ミントやレモングラスなどを加えた、ナチュラルな入浴剤。お湯を柔らかく調えて、リラックス効果もこの上ない。
ステイウエディングでゲストに渡した最後のギフトは“スイート ドリーム”。それは、琉球ハーブを入れたアイピロー。
質の良い睡眠と香りの関係は、脳にあるのだそう。脳は感情や本能に直結しているものなので香りに安らぎを感じたら、リラックスして副交感神経がまさり、呼吸や心拍を落ち着かせて、体を休息モードへ。
心地よい眠りを導くために、月桃、ピーヤシ、レモングラスの琉球ハーブをドライにして、オリジナルのケースに入れてアイピローを制作。緊張を和らげてリラックスをもたらす月桃、漢方やアーユルヴェーダの薬草としても使われているピーヤシ、レモンのような爽やかな香りは疲れを解放するレモングラス。“A good sleep brings you sweet dream! 良い眠りで、イイ夢を見てね!”とメッセージを添えて一日を締めくくった。
翌日、ゲストは島内の観光に出かけたり、2人は沖縄のハネムーンに向かったり、それぞれ休暇を楽しむ予定だとか。
2泊3日の取材を通じ、満ち足りた時間と施設の心地よさは十分感じたのだが、あえて、星のや竹富島 広報担当者に“心のこもったおもてなし”とは、どういうことか聞いてみた。
「私たちは、到着されてからお見送りをするまで旅全体を通して、お客さまに心温まる、寛いだそして洗練された雰囲気をお楽しみしていただくために最高のサービスを真剣に考え、実践し、施設を提供いたします。ドレスやタキシードをお召しでないときでも、新郎新婦さまをお見かけしたときには、『ご結婚おめでとうございます』と声をかけ、祝福しています。親御さまへの感謝も自然に伝えられるよう、言いやすい雰囲気を引き出したり、言葉にされないニーズなどもご提案し、ウエディングと旅を大事な思い出に高めていきたいと思っています」(星のや竹富島 広報/長谷川 丹菜さん)
送迎の車が到着したときに、花嫁が誰であるかはすぐ分かってしまう、という長谷川さん。聞けば、オーラが違うそうだ。五感を使って感じとる豊かな心があるから、お祝いをしたいと思う愛情が相手にも伝わって、良い信頼関係をはぐくんでいくのだろう。星のや竹富島 は、極上のサービス付きで、暮らすような滞在を満喫できる、ホテルとはひと味違った魅力を持つ特別な場所なのである。
自然と調和があり、感動があり、時には自宅以上の安堵感にやさしく包まれてしまう。そして、唸るほど美味しい食事が、朝昼晩と胃袋を鷲掴みする。もう、結婚式がきっかけだけでなく、一度訪れた者は否応なく星のや竹富島のリピーターにならざるを得ないだろう。
The End
PHOTOGRAPHS BY MAKOTO NAKAGAWA
STYLING BY YOKO WATANABE
竹富島で感じた四方山話を編集後記にかえて。
那覇空港に到着すると目に飛び込んでくる“めんそーれ”という文字。NHK連続テレビ小説のタイトルにもなった「ちむどんどん」とは、胸がワクワクする気持ちを表す言葉だ。沖縄の方言や独特のイントネーションを聞くと、なんだかほっこりさせられる。
方言は本島と島ではまったく異なるそうだ。「こんにちは」は、竹富島では「クヤナーラー」と言うそう。これは「おはよう」にも使うし、また「お疲れさま」、「さようなら」にも。ほんわかしていいなぁと思いつつも、その万能さに笑ってしまった。
移動の最中、「シロハラクイナ」に出くわした。八重山諸島のみに生息している大きな野鳥で、島の人にとても愛されているという。その名の通り、顔とお腹が白く、紅いクチバシが可愛い。しかしながら、鳥とは思えない“クワックワッ”という個性的な鳴き声は妙に大きく、飛ぶより走るほうが得意だとか。スタスタと無心に歩く姿は愛嬌いっぱい。車に臆することなく道路に出没してきたときは、通り過ぎるのを車の方が待つというVIP対応に心が温まった。
農家の畑では、水牛がのんびりおやすみ中。海や川を渡れる水牛は、荷物を運んだり乗り物として利用されており、島とは縁深い動物。左右に突き出たあまりにも大きな角に凄みを感じるのだが、終始穏やかで、クリンした大きな瞳でとても可愛らしいお顔立ち。星のや竹富島では、水牛車で人の少ない朝一番の静かな集落を巡る宿泊者限定ツアーがある。牛の歩く速度でのんびり景観を楽しむのもいい。
今回の取材で感じたことは、星のや竹富島のスタッフとゲストが言葉を交わすシーンが多く見受けられたこと。穏やかな気候の雰囲気も手伝ってか、なんともほのぼのした光景だ。
スタッフは安心感の持てる親しさで、かといって礼を欠いたなれなれしさではない。自然な会話がなされる空気感は、格式ばったホテルとは違い、和やかで実に心地よい。島に暮らすように滞在することができる星のや竹富島は、ゲストをもうひとつの我が家として迎えてくれる。
編集長 島田みさ
■お問い合わせ
星野リゾート 東京ウエディングサロン
住所:東京都中央区銀座1-11-1
TEL:03-5159-6305(平日11:00~19:00/土日祝10:00~19:00)
星のや竹富島
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富
TEL:0570-073-066(星のや総合予約)
■INFOMATION
北海道、軽井沢、八ヶ岳の星野リゾートにも注目
両家の家族をゆっくりもてなす旅するリゾートウエディングを
他にも選んで欲しい国内のリゾート スティウエディングをご案内。美しい環境はもちろん、豊かな自然にはぐくまれた上質な食材を贅沢に使った料理も含め、すべての面で満足を生むウエディングが実現する。
写真左から
・星野リゾート トマム 水の教会
住所:北海道勇払群占冠村中トマム
TEL:0167-58‐1111
全国の各地ブライダルサロンにて相談会を随時開催
・軽井沢高原教会
住所:長野県軽井沢町星野
TEL:0267-45-3333
全国の各地ブライダルサロンにて相談会を随時開催
※ウエディングのお問合せは隣接する軽井沢ホテルブレストンコートにて承ります
・石の教会 内村鑑三記念堂
住所:長野県軽井沢町星野
TEL:0267-45-2288
全国の各地ブライダルサロンにて相談会を随時開催
※ウエディングのお問合せは隣接する軽井沢ホテルブレストンコートにて承ります
・星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
住所:山梨県北杜市小淵沢町129-1
TEL:050-5828ー6813
チャペル・会場見学などウエディング体験フェアを毎日開催/新宿から現地間の往復交通チケットもプレゼント