結婚式は1日1組限定で、2泊3日の滞在を通して形式にとらわれない豊かな時間を過ごすことができる『星のや竹富島』のステイウエディング。
半日ウエディングだと当日は慌ただしく、両家が会話することもままならないものですが、滞在型なら心温まる時間を通して2つの家族がひとつになれます。
そこで、星のや竹富島を徹底取材。MARTHA STEWART Weddings JAPAN編集部が今一番注目する、ステイウエディングの素晴らしさをレポートする全3回連載の第2回目です。
第1回目は竹富島と施設のご紹介と、お祝いを支えるスタッフたちにも迫りました。第2回目は滞在2日目のウエディングの進行を詳しくご紹介します。さらに、MARTHA STEWART Weddings JAPAN編集部が考える演出やギフトのアイデアなどもご提案。また、リアルウエディングに突撃インタビューも敢行しました。
ウエディング前夜の夕食は、両家で食卓を囲み、沖縄の食材を堪能した“格別な愉しい食事会”で大盛り上がり。みんなが笑い、リラックスして打ち解けた。そして今日は、いよいよハレのセレモニー。
朝は、客室に朝食が運ばれてくるので、ゆっくりと食事が楽しめる。その後、お支度専用の客室で準備を。貸し切りの客室で落ち着いて準備できるのがいい。支度を終え、始まるまでの時間は、それぞれの家族でひとときを過ごしたり、庭園内でフォトロケーションをすることもできる。そして、お昼ごろからセレモニーが始まる。
実はまだ、到着してから敷地内でセレモニー会場は見ていない。一体どこにあるのか期待に胸が膨らむ。エントランスから車に乗って、一旦ホテルの入り口を出た。樹々が囲む一本道を進んだすぐに、会場へと続く細い入り口を案内された。
入り口と言っても、知る人でないと見過ごしてしまうほどの小道は、まるで秘密基地に入るようなワクワク感がたまらない。この地の自然の特別さが強烈に伝わってくる、手付かずの樹々が生茂るその奥に大きなガジュマルの木が現れた。その姿は崇高で、まるで神がつくりたもうた造形のようにさえ感じられる。
沖縄では、ガジュマルの木には人間に幸福をもたらせてくれる精霊が宿る“聖木”として扱われ、神秘的な木として大切にされている。気持ちのいい光と影と風を感じながら、静かに目を閉じた。ここで結んだ約束が永遠に続きますように……。
大切な友人や家族と島でゆっくり過ごすことができるなんて、これ以上素敵なことってあるだろうか。遠方から集まって来てくれたことに感謝を込めて、滞在がより素晴らしいものとなるように、歓迎のウエルカムバッグやブートニアを用意してみては。ぜひ、これらはセレモニーが始まる前に手渡ししてほしい。
たとえば、舞台が島であれば、自然のものや素朴なテイストで統一して、ゲストを楽しませて。MARTHA STEWART Weddings JAPAN編集部のアイデアは、島の文化の美しさを知るきっかけになるよう、沖縄の植物や特産物にこだわった遊び心のあるアイテムを取り入れた。
写真右:ブートニアは、星のや竹富島スタッフから素敵なアドバイスをいただき、花だけでなく島のハーブや熱帯植物の葉も取り混ぜて制作。本来は、新郎または男性の友人たちとお揃いで胸ポケットに挿すものだが、形式にとらわれず、参加者全員の胸につけてみるのもいい。一体感が生まれ、お祝いを共有できて楽しい気分に。植物は、月桃の葉と実、ニトべカズラ、ハイビスカスの葉、フクギの葉をセレクト。
写真左:ウエルカムバッグは、必ずしもマストではないが、ゲストに感謝の気持ちを伝える手段でもあり、うれしい心配りにもなる。用意するアイテムは、荷物にうっかり入れ忘れそうな虫除けスプレーや、日焼け止めなどがおすすめ。小腹を満たすスナックや飲み物なども喜ばれそう。
ウエルカムバッグは入れ物のセンスにも気を配りたい。今回は、沖縄に自生するアダンの葉を職人が丁寧に手編みで仕上げた手提げ籠バッグを選んだ。竹や藤の編み方とはひと味違った風合いは、旅の思い出にもなるはず。ウエディングらしく、持ち手に麻の白いリボンを巻いて、『Welcome to Taketomijima Wedding』というタグを付けて特別感を。タグのプリントは、厚手の紙が選べるコピーサービス店があるので、代行してもらってみては。
では、ウエルカムバッグに入れるアイテムをクローズアップ。そこに、ウエディングのシーンに合わせたものを加えるのも素敵な計らいだ。写真右は、ブーゲンビリアとハイビスカスの花びらをドライにして詰め込んだガラスのポット。これは、新郎新婦がゲストの間を退場するときのフラワーシャワーにまいてもらうために用意。どちらも、竹富島の至るところにたくさん咲いているので、一生の思い出の花となるに違いない。
写真中央:セレモニーの際に、強い日差しに備えてうちわを用意。沖縄産が魅力の品で、クバと呼ばれるヤシ科の植物の葉でつくられた、素朴でやさしいデザイン。古くから使用されてきた民具でもある。
写真左 右:顔からボディ、髪まで、さらに虫除けやリラックスしたいときなど、生活のあらゆるシーンで使える万能な月桃ミスト。沖縄の伝統ハーブである月桃は、浄化と再生が働いて元気なチカラを引き出す。オーガニックのタイリン月桃を水蒸気蒸留した肌にやさしいアロマスキンミスト。
左:日差しが強い場所では、日焼け止めはこまめに塗り直すのがベストであることをみんなに教えてあげよう。無添加処方の日焼け止めクリーム。汗にも強いウォータープルーフ。
*写真中央:うちわを立て掛けたのは、シロハラクイナの香炉。八重山列島に生息し、島の人から愛されている野鳥をデザインした焼き物。各客室にディスプレイされており、花器や小物入れとしても使える。
飲み切れなかったティーバッグは、お土産にもなる。
右:美容と健康にいい沖縄のハーブティーを。リラックスできる月桃の落ち着いた香り、爽やかな口当たりを感じるレモングラス、まろやかなグアバの3種のハーモニーがやさしいすっきりとした飲み口。商品名になっているムティナシは、竹富島で「おもてなし」を表す方言だそう。星のや竹富島では、到着時にウエルカムドリンクとして提供されている。
食べて美味しい、もらってうれしい、島のおやつもおすすめ!
左:沖縄の伝統銘菓であるちんすこう。星のや竹富島オリジナルは、島のスパイスを使った味づけで、プレーン、ピパーツ、パイン、シークヮサー、アセロラ、島ハーブの6種が楽しめる。ちんすこうの名前は、ちん=珍と、すこう=お菓子の造語で、”珍しい貴重なお菓子”という意味だそう。他に、ちん=金という意味から、“とても高価なお菓子”という説も。もともとは貴族だけしか食べられなかった宮廷菓子だった。
ガジュマルの木の下で行われたセレモニーの後はお祝いの席へ。ウエディングの会食が行われるのは、ロングテーブルのダイニング。ここは最大収容人数32名で、敷地に広がる緑豊かな庭園が眺められ、大きな窓から光がたっぷり差し込む気持ちがいい空間。32名以上の場合は、ウエディングサロンにご相談を。10名以下の場合は、客室を1軒分貸し切って行われる。
竹富島の昔ながらの家並みは、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、その貴重な景観を大切に考え、星のや竹富島は“伝統文化発信リゾート”として、同じように建物がつくられている。それは、日本の仏閣や寺院などにもみられる、古くから伝わる軸組み法。縦の構造材となる柱と横の構造材となる梁(はり)を組み合わせた木造建築で、材木を現しで仕上げられている木の設えが印象的だ。ダイニングも天井が高く開放的で、やさしい木の温もりが寛ぎを与える。
ロングテーブルには、琉球王朝の時代から沖縄に伝わるミンサー織りのセンタークロスが敷かれている。5つと4つの市松柄の模様には、「いつ(5)の世(4)までも末永く幸せに」という意味が込められおり、ゲン担ぎをした温かい演出だ。
美味しい料理を囲む時間…それは、家族団らんそのもの。我が家のような安らぎに包まれながら、心地よいプライベートな時間を提供してくれる。
テーブルに溢れんばかりの装花を飾ることが、場を盛り上げることでは限らない。愛する二人の沖縄での結婚式なのだから、祝福する島物語をつくってみてはいかが。今回、MARTHA STEWART Weddings JAPAN編集部が提案する花嫁花婿の特別席は、その土地の草花、貝殻、流木、さらには蝶々を交えたアレンジ。
エレガントな白い胡蝶蘭に、施設内から採取したこの時期に咲いている月桃の花やピンクの小花が愛らしいニトべカズラ、ハイビスカスの白い葉など竹富島の植物も添えて。ちらちらと炎が揺れ動き、海を感じるブルーのキャンドルも温もりを放ち、卓上にリラックスした沖縄の島物語が完成。南国を感じる夢心地な装飾で、ゲスト同士のおしゃべりも弾む。
ヨーロッパには幸せの結婚を願うサムシングフォーというおまじないがあり、そのひとつに何かブルーのものを取り入れると“幸福が末長く続く”とされている。ブルーの蝶は“幸せを運ぶ”という言い伝えがあるので、縁を繋ぐ橋渡しとして飾って、テーブルをロマンティックに仕上げた。
写真上:赤い瓦とシーサーが浮き出されたペーパーアイテム。竹富島への歓迎のカギになっている。かつて沖縄ロケに来たとき、沖縄の陶芸の名匠、大峰實清(おおみねじっせい)氏の工房に立ち寄ったことがある。氏の作品を初めて目にしたとき、瞑想しているような深い感動に包まれたことを今でも忘れられない……。
会食では、大嶺氏が制作した沖縄の青い海を映したような鮮烈なブルーの大皿が採用されており、料理を引き立てている。この独特なブルーの絵付けは、琉球列島の古い地層から採取した酸化物や琉球石灰岩を主原料にしていて、沖縄の自然の美しさを、焼き物を通して触れられるのも素敵だ。
写真下:キャンドルの灯りは空間を温かく癒す効果があるので、沖縄の海をイメージしたブルーのグラデーションキャンドルを制作。体にも環境にもやさしい大豆(ソイ)油から抽出される天然植物性ワックスを湯せんで溶かし、グラスやガラス瓶などに注ぎ入れる。アクセントに虫除け作用のあるハーブを上に飾って固めれば出来上がり。ススが出にくく、匂いも気にならないので、テーブル仕様に適している。
セレモニーで花嫁と花婿が“愛を誓い合う”ことだけが結婚のしるしとは限らない。星のや竹富島ウエディングでは、“感謝と約束”を交わすことを大事にされている。
まず、二人の人生をスタートさせるその前に、親に今まで育ててくれたことに感謝の気持ちを言葉で示して、ひとつの区切りをつける。区切りをつけることは、新しい始まりを意味するものだ。そして、誠実さと決意を持って夫婦となる約束を交わす……。
結婚式は単なるイベントというものではなく、2つの家族がひとつになることなのだから、家族や親族に真摯に向き合うことは慎み深いとても素敵なことだと思う。そういった場面では、結婚式独特の緊張感や堅苦しい雰囲気になりがちだが、ここでは、会食をしながら和やかな雰囲気の中で交わされるという。
「島の人たちは助け合って、家族のように生きるあったかさがあります。そんな穏やかな空気が伝わるのでしょうか。温暖な美しい自然の中に身をおくことで、リラックスできて、感謝の気持ちも素直に言えるのかもしれません。本音を伝えることで、親子の距離や関係が深まるきっかけになれたら私たちも喜ばしいことです」(星のや竹富島 広報/長谷川 丹菜さん)
ありきたりの謝辞ではなく、自分の言葉できちんと伝えることで、2人の結婚式ではなく、家族みんなの幸せな結婚式になる。
写真:感謝の言葉を綴るカード。セレモニーの前日にゆっくり書いたり、当日の朝、感慨に浸って書くカップルも。気持ちを上手くまとめられない場合は、スタッフが丁寧に手助けをしてくれる。さらに、親にとって感動的な子供の誕生の思い出をかき立てる、産まれた日の新聞をプチギフトに添えてみてはいかがだろう。
寛ぎの美空間で振る舞われる料理もまた絶品。豊かな沖縄の素材との出会いから生まれたフレンチを一皿ずつ美しく表現し、特別な一日に彩りを添える。近隣で獲れるその時期いちばん美味しい食材と、フランス料理の技法を使った「琉球ヌーヴェル」を提供している。上質な素材と調理のマリアージュは、エレガントで、思わず息を呑む驚きの味わいだ。
写真上:メインのViande(ヴィヤーンド)。黒毛和牛のローストは、外は香ばしく、中はしっとりと均一なロゼ色に恍惚。肉の出汁が効いた赤ワインのソースを添えて。薬味的な存在のパイナップルは、酸味が効いて肉の味が重くならないようまとめられている。
写真下:総料理長の中洲達郎さん。
■ウエディング会食 コース内容
Amuse(アミューズ)……近海マグロのタルタル フルーツトマトのファルシー
Premier(プレミア)……車エビと旬野菜の菜園家仕立て
Deuxième(ドゥズィエム)……フォアグラのポアレ あかね芋のタルト添え
Soupe(スープ)……ヴィシソワーズを忍ばせたブイヤベースのロワイヤル仕立て
Poisson(ポアゾン)……八重山近海のグージョネット 生ハムとブロッコリーのリゾットにのせて
Viande(ヴィヤーンド)……黒毛和牛のロースト 島かぼちゃのドフイノア
Avant dessert(アヴァン デセール)……長命草とホワイトチョコレートのブリュレ
Grand dessert(グランド デセール)……マンゴーとオレンジのモザイク ヨーグルトのソルベとともに
マンゴー、パイナップル、グリーンキウィ、ドラゴンフルーツなど、濃厚かつとろけるような甘みのフルーツをエレガントなウエディングケーキにまとめた、素敵なロングスクエアのケーキ! フワフワのスポンジとバリエーション豊富な果肉は、まるでフルーツのベッドのよう。アクセントに飾った縁起を担ぐ金箔のチカラも借りて、2人の愛と同じぐらいスイートなケーキに。食事のラストに、最高の笑顔をプレゼント!
次回の連載(8月8日配信)では、セレモニー後の夜をレポート。お楽しみに!
上質さと寛ぎが調和する居心地のいいウエディング
Bride & Groom
大橋 貴哉さん&沙伎さん
昨年の9月にご婚約された貴哉さんと沙伎さん。晴れて6月10日に挙式を行えてホッとしたと語るお2人。挙式はシンプルで、披露宴はリラックスできるものにと考えた中で、『身内だけで過ごしやすく気楽な結婚式』をコンセプトに会場を色々と検討されたそう。
東京に在住のお2人が沖縄を選んだのは、貴哉さんの、ご両親を今まで行ったことがない沖縄へ連れて行ってあげたいという思いと、沙伎さんのお母さまは海がとても好きなので、海のきれいな所がいいという思いが一致。ならば、沖縄でも、気軽に行けない、エメラルドグリーンの海が美しい離島がベストではないかという話に。
星のや竹富島にした決め手は、美しい自然がもたらす情景とリラックス感に加え、上質さを併せ持つラグジュアリーさに惚れ込んだのが理由。「スタッフの方々の些細な心遣いにとても感心しました。終始体調にも気遣っていただき、おもてなしや丁寧に接客してくださる態度がありがたかったです」と沙伎さん。
一方、沖縄の正装はかりゆしウエアと知り、気温や気候を考慮して、ゲストのドレスコードはかりゆしウエアに決めて、ギフトすることにしたお2人。その服を挙式の数ヶ月前に、東京から沖縄本島までわざわざ買い付けに行ったと言います。
「もちろんネットでも購入できますが、実際に見て、素材感やサイズ感に納得したかったのです」と。新郎新婦の細やかな心配りにやさしい人柄が偲ばれます。会食では、貴哉さんもタキシードからかりゆしウエアに着替えてリラックスモード。新郎新婦とゲストがひとつのテーブルを囲み、近い距離で和気あいあいとしたとても楽しい雰囲気でした。
挙式後にゲストからは、家族と親族大勢での旅行は数多くないのでこのような機会があってよかった、気軽に行けない離島でラグジュアリーなホテルでの滞在ができて素敵な思い出になった、などと大好評。
「両親からは、またいつかここに来たいとの言葉も届きました。今後、沖縄に行くときには、このかりゆしウエアを着て、2人の式を思い出してもらえたらうれしいなと思います」と貴哉さん。感動も祝福も温かさも、ゲストの心に刻まれた素敵なステイウエディングとなりました。
PHOTOGRAPHS BY MAKOTO NAKAGAWA
STYLING BY YOKO WATANABE
■お問い合わせ
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TEL:03-5159-6305(平日11:00~19:00/土日祝10:00~19:00)
星のや竹富島
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富
TEL:0570-073-066(星のや総合予約)
■INFOMATION
北海道、軽井沢、八ヶ岳の星野リゾートにも注目
両家の家族をゆっくりもてなす旅するリゾートウエディングを
他にも選んで欲しい国内のリゾート スティウエディングをご案内。美しい環境はもちろん、豊かな自然にはぐくまれた上質な食材を贅沢に使った料理も含め、すべての面で満足を生むウエディングが実現する。
写真左から
・星野リゾート トマム 水の教会
住所:北海道勇払群占冠村中トマム
TEL:0167-58‐1111
全国の各地ブライダルサロンにて相談会を随時開催
・軽井沢高原教会
住所:長野県軽井沢町星野
TEL:0267-45-3333
全国の各地ブライダルサロンにて相談会を随時開催
※ウエディングのお問合せは隣接する軽井沢ホテルブレストンコートにて承ります
・石の教会 内村鑑三記念堂
住所:長野県軽井沢町星野
TEL:0267-45-2288
全国の各地ブライダルサロンにて相談会を随時開催
※ウエディングのお問合せは隣接する軽井沢ホテルブレストンコートにて承ります
・星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
住所:山梨県北杜市小淵沢町129-1
TEL:050-5828ー6813
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